この頃、子供部屋おじさん/おばさんといった言葉を聞きます。
不景気で物価高い今の世では、一人暮らしはコスパ悪いので実家暮らしできるのならそれを続けるべきだとも言われています。
私も適応障害で働けない時期が長く、親にも「あんたが一人暮らしできるわけないでしょ」と言われたし、自分でも一人暮らしなんて無理だと思っていました。しかし、とあるきっかけで実家を出て、10か月ほど前から縁もゆかりもない土地で一人暮らしをしています。
長いこと子供部屋おばさんだった私が、実際に一人暮らしをしてみてどうだったか、書いてみたいと思います。一人暮らしをするかどうか迷っているこどおじ、こどおばの皆さんにこんな例もあるよと参考になれば幸いです。
私の一人暮らし歴
私の前提条件として、
- 中学時代から引きこもり、不登校
- 大学時代親の仕送りを受けながら一人暮らし
- 大学卒業後は実家で無職引きこもり生活後、フリーターへ
という経歴を歩んできており、一応は一人暮らしの経験がありました。
しかし、学生時代はささやかなバイト代と親の仕送りで生活していて、その頃もうつの症状がひどくなったり引きこもりがちだったので、生活力はあまり身についていませんでした。
ご飯はコンビニ飯(少しは自炊もした)、お金は少額ずつコンビニATMで下して手数料はらいまくり、朝起きられなくてゴミ出しできずコバエが湧くこともありました。
結局、大学卒業時はお金を稼げる状態ではなく、自分でも生活費を稼いで暮らしていくのは無理だと思ったので、部屋を引き払って実家に帰り、無職引きこもりをやっていました。
実家を出ない理由
一人暮らしができる心身状態でない
いい年して実家に帰省して情けないという気持ちはもちろんありました。
けれど、体調と気分の浮き沈みが激しく、働くことはおろか家事もろくにしませんでした。
実家にいれば体が動かなくても、家族が代わりに家事をしてくれます。
ご飯も無料で出来立てが出てくる。生存が保証されます。
あのまま体調がずっと回復しなければ、今でも実家暮らしをせざるを得ない状況だったでしょう。
体調や精神を病んでいるという場合は、実家暮らしを選択すべきというかそれしか選べないとも思います。
お金がない
もう一つは、やはり金銭面です。
今は大卒で正社員として働いているような人でも生活苦に陥るような世情です。
実家暮らしで家賃や光熱費を折半できるならば、そちらのほうが圧倒的にコスパが良いです。
実家暮らしでも家事をすべて自分でやって、お金も入れていれば甘えということはないでしょう。
浮いたお金を貯金や投資に回したほうが合理的です。
無職が長く、フリーターで貯金も少なく収入も低い私が一人暮らしをするなんて無謀だと思っていて、家を出るのは無理だと思っていました。
たまたま改善できたから、一人暮らししたいと思えた
私は幸いなことに、なんとかフルタイム勤務ができるほどに回復し、家事もなんとかこなせるようになり、引っ越し資金の貯金もできたので、一人暮らしをすることができています。
心身を病んでいる、手取りが極端に低い、資産形成をしたい場合は、実家暮らしのほうが良いと思っています。
実家を出たい理由
地元を出たいから
地元のことはそれなりに好きです。車さえあれば日常の買い物には困らないし、自然も豊かだし、最近は図書館などの施設も充実しています。愛着もあります。
それ以上に、地元にずっといることが嫌だった。
自分をいじめてきた同級生と出くわすかもしれない、噂が広まるかもしれないこと
求人数が少なく、仕事を選べず、賃金も低いこと
自分が生まれた県以外で生活することがないまま死ぬかもしれないこと
このまま一生ここで暮らすことを考えると恐ろしかった。
自立したいから
実家で暮らしていると、洗濯物をため込んだら親が洗濯してくれる。洗い物もいつの間にかされている。平日は夕飯が用意されているから、ご飯をどこかで食べて帰ってくるということもしづらい。
もちろんどれもとてもありがたく助かることだけど、やらなくていいのに、と思うことが何度もありました。
金銭的な面でも、家事など生活力的な面でも、なんでも親に頼ってしまっている状況。
このままでは、自分ひとりになったとき、生活能力が身につかないままになってしまうのではないか。
そう思うと、無理やりにでも今出るべきだと思うようになりました。
自由が欲しいから
夜遅く帰ったりできない。誰かと通話してたりするのも会話を聞かれているようで、なんとなく嫌。
どこか出かけてもどこ行ってきたの?誰と会ってきたの?と言われると答えたくないときもあったりして、干渉が嫌でした。
気にしすぎといえばそうなのですが、いい大人なんだから放っておいてほしいと思っていました。
あと、居候の身で文句を言うなと言われるのも嫌でした。居候で養ってもらってる身からすると本当になにも言えないのですけどね…
どのようにして実家を脱出できたか
一人暮らしできるだけの収入を得られる状態にする
非常に重要かつ前提条件ともなるのですが、元無職引きこもりである私が一人暮らしするには、人並みに働けるようになる必要がありました。
一人暮らしするには経済的に自立しなければならないので、無職ひきこもりではほぼ無理です。
徐々に社会復帰し人と関わる。
健康管理し時間通りに出勤したり欠勤をしないようにして勤怠を安定させ、フルタイム勤務できるようにする。
必要ならば資格も取得する。
といったことをコツコツ続けて、フリーターですがアルバイトで生活できるくらいの収入を得られるまでもっていきました。
もし特殊なスキルがあって、フリーランスで生活に十分な額を稼げるならそれでもいいと思います。
できることならより安定させるため、正社員雇用を目指すべきです。が、私は無理でした。
家事能力を身に着ける
まず、実家暮らしの間に、少しでも家事をやるようにしました。一人暮らしのときは自分でやっていたけど、ブランクが空いてしまっていたので。家事の習慣を身に着けること、料理などの知識を身に着けました。今はyoutubeでいろいろ生活の工夫を動画にしている方がいるので、非常に勉強になります。
金銭管理する
あと、お金を少しずつ貯めて、まとまった引っ越し資金を作りました。
最低でも30、できれば100万は欲しいところです。
私は賃貸の初期費用で20万、内見する際の交通費で1万、家具家電一通り揃えるので7万円くらい掛かっています。引っ越し後すぐ働けなかったりトラブルがあったりすることも考えると、最低でも30、できれば100万は欲しいところです。
また、一人暮らしを始めて赤字家計になるとすぐ実家に帰るはめになってしまうので、家計簿をつける習慣を身に着けて、収支の把握、金銭管理の仕方を身に着けるのも非常に重要です。
賃貸を探す
ここに関してなのですが、私の場合、地元を出るために転職活動をし、就職が決まって引っ越したので、賃貸の審査は会社員としての見込み収入などのおかげで通ったので、フリーターや無職の場合で済む部屋を探す場合は変わってくると思います。
就職する会社から、だいたいこのあたりに住んでほしいと指示があったので、その地域の中で比較的家賃の安い所を調べて、不動産会社に予算と絶対譲れない希望を伝え、4件ほど内見して、その中で一番よさそうなところに決めました。敷金礼金も0の物件を選んだので安く上がったほうだと思います。
実際に一人暮らしをしてみてどう感じたか?
今、一人暮らしをして10か月ほど経ち自身がどう思っているかというと。
孤独だし辛いこともたくさんあるけど、やってよかった
と思っています。
実家にいたら安全は保障されるし、家事に追われ部屋が荒れ放題になるということはないでしょうが、
今の生活は、自分で身の回りのことをすべてせざるを得ないので、毎日生活力を磨けているなと感じます。
都会なのでいろいろな場所にすぐ出かけることができるし、実家にいるときはお金のことで引け目を感じていたけど、今は100%自分の稼ぎだけで自分を養っているので、胸を張って自活していると言えます。
引きこもり無職だった自分からすると、考えられないような進歩です。
部屋の環境もすべて自分の責任です。実家に居た頃は、親に「これが必要でしょう」と言われ、好みでないものを勧められ、私もお金がないからとそれを使っていたりしました。
それが今はすべて自分が選んだものです。
作った料理も、買った家具も、なんか違うなと思ってもすべて自分の責任です。
親の金で一人暮らしをさせてもらっていた学生時代と違って、すべて100%自分で稼ぎ、自分で選べたもの。
この年齢でやっと自分の人生を生きられるようになった、スタートラインに立つことができたと思っています。
もちろんここに至るまでは実家に頼らなければならなかったし、金銭面でも生活面でも頼らせてくれたことには感謝しています。が、お互いにあまりよくない関係だったとも思います。
30代でまともなスキル職歴なく、結婚し家庭を持てる見込みも、資産もない現状は、毎日不安になります。
しかし、それは実家にいても同じことだったんですよね。
であれば、人生が以前より充実していると思える今のほうが良いと思います。
仕事が続かなかったり、資金ショートすればすぐにでも一人暮らしを諦めて実家に帰らなければいけなくなるかもしれません。
できればそうならないように生活と金銭管理を頑張りながら人的資本を磨いていきたいと考えています。
一人暮らしをするかどうか悩んでいるなら、今が最底辺だと思うならやってみてもいいんじゃない?と言いたいです。
家を出るという選択肢があるなら、家に戻るという選択肢もあるでしょうし。
今となっては家に戻るのはなんとしても避けたいというのはありますが。
他にも一人暮らしに関するいろいろな記事を書いていきたいと思います。

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